ベトナム鼻笛について

最近、木製の鼻笛を買ったのですが、高音が上手く出ません。
どうしたらよいでしょうという相談を 受けることが多くなりました。

ベトナム製の鼻笛を販売されている方もかなりいらっしゃるので、ちょっとためらわれる面もありますが、
何故、高音が出づらいかについて少々解説をしておきたいと思います。

私が使っている鼻笛は4オクターブの音域を持ちます。
これは管楽器としてはかなりの物であり、鼻笛の魅力の一つでもあります。
ベトナム製の鼻笛はせいぜい2オクターブしか出ないため、鼻笛の魅力の
一つの大きな特長を持っていないのです。

ベトナム鼻笛

問題点は2つ有ります。上図を見ていただくとおわかりいただけると思いますが、
一つは吹き口の穴の形状がただの真ん丸と言うことです。
もう一つは吹き口の横の部分が円錐形にカットされているという点です。

鼻笛での演奏をする場合、両方の鼻穴からの息を全て笛のエッジ部分に導き、
他の所に息が行かないようにすることが大切です。
特に高音を出そうとする場合、息が他に漏れると音が出ません。

上記ベトナム製鼻笛の場合、丸穴が小さすぎるため、両鼻穴からの息が上手く入り切りません。
さらに両脇の円錐部分のエッジがほほ骨に当たるため、鼻穴が吹き口に密着できず
息が漏れてしまうため、高音が出ないのです。

ちょっと説明用に作った画像を参考用に掲示します。
この笛は鼻笛ポッポコピーというグループの副P(副会長のこと)であるバンブーさんの 作られた笛です。

説明用

このような形状だと両方の鼻からの鼻息は漏れることなく全部、吹き口に導かれます。
こんな構造になっている笛をお求め下さい。

ベトナム製のものをお使いの方は縁を削って、鼻との隙間が出来ないようにすると 改善が見込まれます

ベトナム製の笛をお売りになっていらっしゃる方には誠に申し訳ないと思うのですが、
鼻笛を最大限に楽しもうという方は一番上の図にあるタイプ(吹き口の横が円錐になっている物)は お勧めできません。
同タイプの物はバリ島土産としても売られているようです。
また、値段も安いことから、このタイプをお求めになる方も結構いらっしゃるのですが、
製作の精度が悪く、上手く音のでない笛もかなり含まれています。
せっかく買ったのに音が出ないって方も結構出てます。
鼻笛演奏のプロとして、ちょっとだけ案内させていただきたいと思います。

販売されている方の中にはきちんとセレクトされて2オクタ-ブの音域を持つもののみを
売られているところもありますが、中には3個600円などと言うものもあります。
こんな奴はよほど運が良くないとまともに音が出ませんのでご注意下さい。

異論がある方はご連絡下さい。お会いして演奏を聴かせていただいた上で 反論にお答えしたいと思います。

おたより(メール)はこちらまでお願いします。